「ねえ、どうするの? こんなところに入ってしまって!」
「俺の考えが甘かった……。きみを強引に、こんなところへ引っ張り込んで」
「そんな、私もいけなかったわ……。あなたの望みに応えてあげたいなんて思ったばかりに……。つい、平常心を忘れてしまったわ」
「俺は……きみとなら、きっとうまくやれると思ったんだ……」
「でも、どうしましょう。この泥沼の状況から抜け出すには」
「そうだね……。不安だよね……。もう、ここで終わりにしよう」
男は隣で震える女の肩を、そっと抱き寄せた。
「過ちは、ここで終わりにしたい……」
「もう、ここを出たいわ」
男は女を立たせると、二人で部屋のドアへ向かってゆっくり歩いた。
◇
その直後――。
両手を上げた男女が、K銀行の玄関に姿を現した。
それまで銀行を包囲していた警察官たちが、一斉に二人のもとへ駆け寄った。
「銀行強盗犯、確保!」

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