これは、はるか昔、AIや二足歩行ロボットが開発される前の話だ。
◇
江戸時代後期、丸出はげ照るという発明家がいた。
彼は、人々の暮らしを楽にするため、人を助けるからくり人形の開発に取り組んでいた。
製作に没頭した末、ついに完成させた。
からくり人形「ポロぴょん」だ。
◇
「ポロぴょんは僕のお母さんだ!」
はげ照るには、だめ夫という男の子がいた。
妻の夢代は、だめ夫を産んですぐに亡くなっていた。
ポロぴょんは、だめ夫の母親代わりとなった。
ポロぴょんは60年間、一度も故障することなく動き続けた。
そのため、だめ夫はポロぴょんを本当の母親だと思っていた。
「おっかぁーー、死ぬなぁー! うぇーーーん!」
ついに、ポロぴょんの耐用年数が来たのだ。
はげ照るは開発中の過労で亡くなっており、ポロぴょんがからくり人形であることさえ、誰も知らなかった。周囲には、その仕組みを理解できるほどの知恵を持つ者もいなかった。
ポロぴょんは、だめ夫の手によって、手厚く土の中に埋葬された。
◇
2026年。
ポロぴょんが埋葬されてから220年。ようやく時代が追いついたようだ。

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