節分の日が今年もやって来た。
赤鬼は「発注書」と書かれた紙を見ながら歩いていたが、とある家の前で立ち止まった。
そのとき、鬼の顔面に豆をぶつけられた。
「痛い、痛い……。何すんねん?」
赤鬼は顔を真っ赤にして怒った。
「きみ、それ予行練習だから……」
人間が赤鬼を気遣うように言った。
「本番は今以上に強いから、気をつけてね」
「了解。では、一分後、本番行きます」
鬼は目を輝かせながら答えた。
◇
一分後、赤鬼は玄関を勢いよく開けた。
「鬼は外ーーーー! 福は内!」
「わぁーーーー!」
赤鬼は泣きながら走り去っていった。
その手にはしっかりと次の家の「発注書」が握られていた。
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