最後の団らん

僕は家族そろって近所の公園に来た。

家族そろって昼食を食べている。

こんな状況なのに……。

春の陽気はなんとも心地いい。それがせめてもの救いだ。

これが冬だったら……「神も仏もない」と嘆いていただろう。

つかの間の幸福を感じた。

「これ、食べたくなーい」

穏やかな昼食に、息子の声が割り込んできた。

息子は相変わらず、野菜が食べられないようだ。

「ちゃんと食べないと、大きくなれないぞ」

「僕、大きくならなくてもいいもーーん」

息子は嫌いな野菜を、妻の弁当へせっせと箸で移している。

だが、今、世間は大騒ぎだ。

地球に超新星が衝突するという。

超新星は、地球から一万キロメートルという距離まで近づいている。

天文学者の計算では、衝突まで秒読みだという。

  ◇

衝突を翌日に控え、僕たち家族は布団に入った。

「寝ている間に、安らかな最期を迎えたい」

家族そろって、川の字になって眠った。

辺りが明るくなり、僕たち家族はそろって目を覚ました。

布団から出て、テレビをつけた。

天文学者がモニターに大写しになっている。

顔を真っ赤にして、何やら慌てている。


「すんません、軌道計算を間違っていました」

コメント