二十メートルほど先に、犬Bを見つけた。
二匹とも、飼い主に連れられて散歩をしていた。
そのとき、路上に骨が落ちているのが見えた。
犬Aが、犬Bを睨みつけた。
「おい、その骨は俺のものだぞ」
犬Aは体格がよく、威厳たっぷりに低い声で言った。
すると犬Bが答えた。
「それに、お前の名前でも書いてあるのか?」
犬Bは筋肉質な体つきをしていて、いかにも頭の切れそうな雰囲気を漂わせていた。
二匹は互いに、
「ウゥゥゥ……」
と低く唸りながら、激しく牽制し合った。
それを見た飼い主が、あきれたように言った。
「おまえら、誰かが書いた落書きを見て、何をそんなに興奮しているんだ!」
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