わたしは、地球で女性初の国際新資源開発省長官になった紗絵です。
私の仕事は、部署の名前からも分かる通り、宇宙に存在する新しい食料資源を開発することです。
今、不安もありますが、とてもやりがいを感じています。
最初の派遣先は火星になりました。
20世紀初めから、火星には生物がいるとか、いないとか、水があれば生物がいるとか、いないとか、さまざまな研究が行われてきました。
そして無人探査が進み、火星に食料資源が存在することが判明したのです。
その最初の仕事に、私が異例の抜擢をされたのです。
「私でなければ務まらない」
そうまで言われました。
みなさまの期待に応えられるよう、粉骨砕身、任務を遂行するために全力で邁進するつもりです。
ご声援をよろしくお願いします。
◇
地球を出発してから約2年半。
紗絵は火星の平原に降り立ち、驚いた。
火星人らしき生物が、紗絵を出迎えてくれたからだ。
どこから見ても、地球の生物とは違う。
紗絵が読んだSF小説、H・G・ウェルズが1898年に発表した『宇宙戦争』に登場する火星人と、そっくりな姿をしていた。
日本に生息する海洋生物のタコにも似ている。
足が八本ある。
そのうちの一本を、火星人は紗絵の前にゆっくりと差し出してきた。
「◯☓△□」
紗絵には、その言葉が分からなかった。
だが、火星人は友好的な種族のようだ。
彼女は少し安心した。
紗絵は火星人と会話もできず、とりあえず、にっこりと笑ってみた。
しかし、心の中では動揺していた。
「えっ? 先住生物がいるのに、食料資源の開発なんて無理でしょ?」
そう思った紗絵だったが、すぐに合点した。
紗絵は服を脱ぎ、裸になった。
紗絵の肉体を見た火星人は、体を真っ赤にして小刻みに震え始めた。
その反応を見た紗絵は、笑った。
「フフフ。私がたっぷり、かわいがってあげるわ。まずは、お風呂で体をきれいにしましょうね?」
彼女は火星人を風呂へ誘った。
火星人の丸い体なのか、頭なのか分からない部分が、さらに赤くなった。
紗絵が用意した風呂は、どう見ても地球でいうところの「釜」だった。
紗絵は火星人をその中に押し込むと、笑った。
「フフフ。美味しそうな方ね?」
彼女は鍋の蓋を閉めながら時計を見て、微笑んだ。
「この大きさなら、一時間かしら?」

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