僕は優しいお姉さんが大好きです。
「あんた、ふにゃふにゃしてんじゃないわよ!」
僕はお姉さんに厳しい言葉を浴びせられ、ビクビクしながら部屋の隅に隠れる。
お姉さんは、部屋の隅に追い詰められた僕をさらに追い詰めるように、言葉を荒げた。
「あんたねぇ、しっかりしなさいよ!」
僕のお姉さんは容赦なく僕を叱りつける。
僕は優しいお姉さんでなければ駄目なのだ。
「怖いよぉー」
お姉さんはお構いなしに僕の前に仁王立ちし、僕を見下ろして睨みつけてくる。
「ふん! この意気地なしが! 悔しかったら、わたしにぶつかってきなさい!」
僕は悔しくて、横たわっていた体を起こした。
「もう、限界だぁ!」
僕が着ている筋肉アシストスーツの威力は凄まじい。
人間のパワーを十倍に増幅してくれる。僕の発明品の中では、まれに見る優良作品だ。
「きゃーーーー!」
仁王立ちしていた姉は、あっけなく僕の体当たりを受けた。
姉の体は部屋の壁をぶち破り、隣の家の庭まで飛んでいった。
五メートルほどの高さまで小さな弧を描き上昇した姉は、やがて隣の庭に生えた青々とした芝生の上に落下した。
芝生に着地すると、そのまま三メートルほど転がり続ける。
すると、姉の体は少しずつ分解され、原型が分からないほどバラバラになって消えた。
「あーあ、また失敗だぁ… アシストスーツも力加減がいまいちだなぁ」
ロボット工学博士の僕は、優しいお姉さん型ロボットを目指している。
ただし、どの発明品もまだ… 完成したことはない。

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