画伯

 

ここは、特殊な能力を持つ少年少女を養育する施設でした。

入所している子どもたちは、あまりにも優れた能力を持っているため、周囲から嫉妬され、虐待を受けることを防ぐために、この施設で暮らしていたのです。

「こんな小さな子どもの描く絵が、数億円とはなぁ」

施設長と副施設長は、三歳くらいの少女が一心不乱に絵を描く姿を、そばで眺めていました。

やがて少女は筆を置くと、完成した絵を高々と持ち上げました。

「はい、できまちたぁー」

そして、じっと自分の絵を見つめていた二人の職員に、嬉しそうに差し出しました。

絵を受け取った二人は、しばらく眺めていましたが、やがて顔を見合わせました。

「どう見ても、ただの落書きにしか見えないんだけど……」

コメント