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「我が艦は『無敵の艦隊』と呼ばれ、誰からも恐れられていた。
今、そんな我が艦が小さなカモメの大群から逃げている。
実に嘆かわしいぞ!」船長は船の周囲を飛び交うカモメの群れを見つめ、額に汗をにじませながら次の対応を考えていた。
船長は操縦室で腕を組み、険しい表情で考え込んでいた。
そのとき、そばに立っていた着任一年目の新人操縦士が口を開く。「船長、うちの船って、ただの貨物船ですよねぇ。そう聞いてきましたけどぉ」
作り笑いを浮かべた操縦士は首をかしげ、船長を見た。
「最近の若いモンは、遊び心がなくて困るなぁ」
船長はあきれたように操縦士をにらんだ。
「我が艦は前回の作戦で砲弾を撃ち尽くしてしまった。残念だ! あいつらを撃墜することはできそうにない」
「あいつら、ただのカモメですよね? 何もしてこないと思いますけど……」
「最近の若いモンはジョークがまったく通じんなぁ……困ったもんだ」
船長はもう一度、操縦士をにらみつけた。
「あれは敵対国が新たに開発した無人カモメ型攻撃機だ! 油断するな!」
船長が声を荒らげても、操縦士は聞こえていないかのように前方を眺めていた。
「船長、カモメが今日も優雅に飛んでますねぇ……。まったく平和っす。のどかっす」
そのつぶやきを聞いた船長は、心の中でため息をついた。
「きみは平和そのものだなぁ」
「そっすかぁ。お褒めのお言葉、いただきやしたぁーー。ごっつぁんで~す」
「なんてこった……。今の若者は争いごとを自然に回避している。なんてこった」
日常ですら争いごとを好まない世代が誕生していたのだ。
船長は、『争い』という言葉が使われなくなる日も、もうすぐやって来る――そう思うと、うれしくなった。

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