森の中で、人間に捨てられた犬たちが集まっていた。
「ほんと、勝手だよね!」
「人間には腹が立つよ!」
「許せない!」
集まれば、不平や不満が必ず飛び交う。
それでも彼らは知っていた。人間は心ない人ばかりではないことを。
自分たちは捨てられた。それでも、もう一度誰かと一緒に暮らせる日を夢見ていた。
「また一緒に遊びたいなぁ」
「オイラは一生ここでいいよ」
「でも……やっぱり、もう一度散歩したいな」
人間への思いは、それぞれ違っていた。
それでも、人間と暮らした楽しかったひとときを忘れられない。
だからこそ、この集まりがあった。
「A町保護犬施設『どんとこい店』からお知らせです。新しい家族を募集しています」
その知らせを聞くたびに、犬たちは胸を高鳴らせた。
森から犬がいなくなる日。
その日だけは、この森が少しだけ寂しくなる。

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