「さあ、勝負、勝負!」
「おまえ、俺に勝とうってのか? はあはあ、笑わせるな!」
男たちは互いを威嚇し、こぞって己の闘争心を鼓舞した。
「誰もの顔と態度には、刹那的な逃避を匂わせる気配がなく、くだらない勝負の世界に命を懸けることをいとわない、愚かな勝負師となっていた……」
「俺たちの人生は、勝つか負けるか、その二択しかない! 俺たちは、そういう世界でこそ生きられるんだ!」
彼らの生き様は非情なルールに支配され、その中でこそ生きる意味を見いだしていた。
「ふん、安穏と生きるお前らに、何が分かるっていうんだ?」
他者にそんな暴言を吐く彼らは、今日も自ら追い込んで作り上げた修羅場を生きていた。
そんな彼らが好んでやまない修羅場とは……一体?
◇
「はーい、よい子のみなさーーん、仲良く順番ですよぉーーー」
「なんだよぉーー、これってぇー、狭すぎぃー!」
ベーゴマの対戦に集まったよい子の小学生たちは、ポリバケツでは狭すぎると文句を言った。
「あんたぁー、それを言っちゃー、おしまいだよぉーーー」
すると傍らで、別の小学生が「ベーゴマを持ってくるのを忘れた」と泣いていた。
彼らの要求や希望には果てがない。
今日もベーゴマバトルは、小さな町の路地裏で、ポリバケツを舞台に繰り広げられていた。
「やだぁー ベーゴマが土俵に乗せられないわぁ!」
バトル以前の問題もあった…

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