サイケな軽鴨

今年もこの沼にやってきた。

どこと言うほどの特徴や物珍しいこともないありきたりの沼だ。

「ねえ? ここってさぁー 毎年、変わり映えしないわねぇー」

そう言う鴨を僕は見つめる。彼女の繕う相変わらずのお化粧姿は、この場所に不釣り合いなほどの美しさがあった。


「どう? あたしって… やっぱ… 綺麗なの?」


 綺麗と言えるかと聞かれれば、済まなそうに口ごもる僕がいた。何か気の聞いたことを言わなければ、と僕は心の声で答えた。

「綺麗 … かも?」
 

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